アブストラクト(29巻3号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 術後Chylomediastinumの1例
Subtitle :
Authors : 蘇原泰則, 福田幾夫, 小石沢正, 三井清文, 鬼塚正孝, 鈴木有二, 遠藤勝幸, 小形岳三郎*
Authors(kana) :
Organization : 筑波大学呼吸器外科, *筑波大学病理
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 29
Number : 3
Page : 446-450
Year/Month : 1981 / 3
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 肺癌にて右下葉切除, 縦隔リンパ節廓清術を施行した66歳の患者が術後約2ヵ月目に右上縦隔の膨隆を指摘され再入院し, 縦隔鏡検査とリンパ管造影像よりChylomediastinumと診断された. われわれの知る限り, 本症は極めて稀なものである. 次に, Chylomediastinumの瘻孔閉鎖を目的として, Tetracyclineによる癒着療法を試みた. 本治療前, 乳糜流出量は1日200~270mlであったが, 患部へのTetracycline注入により1日40~170mlへと減少しその効果が認められた. 最後に, Chylomediastinumの発症原因とこれに対するTetracycline癒着療法に関し考察を加えた. Chylomediastinumとは胸管より流出した乳糜が縦隔洞内に貯留する病態と理解され, 我々の知る限りこの種の報告は全くみられない. 最近われわれは肺癌のため右下葉切除と縦隔リンパ節廓清術を施行した患者で, 術後約2ヵ月目に右上縦隔の膨隆を認め, 縦隔鏡検査とリンパ管造影検査よりChylomediastinumと診断した症例を経験した.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : Chylomediastinum, Tetracycline
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