アブストラクト(29巻7号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 心臓外科におけるExpanded polytetrafluoroethyleneの応用─とくにパッチについて─
Subtitle : 原著
Authors : 松本博志, 松永仁, 三枝正裕
Authors(kana) :
Organization : 東京大学医学部胸部外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 29
Number : 7
Page : 1130-1134
Year/Month : 1981 / 7
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : これまでの一連の研究成果をもとに多軸延伸ポリ四フッ化エチレン心内補填用パッチを作成し, 心房中隔欠損孔閉鎖と中隔形成に臨床応用した. 症例は年齢4歳から62歳の19症例で, 欠損孔が巨大ないし欠損孔縁が脆弱な心房中隔欠損症(二次口開存)13例, 左房粘液腫1例, 心内膜欠損症1例, 全肺静脈還流異常症1例, 下大静脈が左心房に開口していた1例を含めて部分肺静脈還流異常症4例である. 各症例とも中隔欠損孔が巨大ないし欠損孔縁が脆弱で直接縫合閉鎖が困難と考えられ, タイクロンまたはプロリーン縫合糸でパッチを縫着した. 巨大肺動静脈瘻, 部分肺静脈還流異常を伴った心房中隔欠損症1例が術直後に低心拍出量症候群で死亡したが, 他の18例は経過順調で最長4年間の経過観察でも血栓塞栓症はみていない. これらの経験から多軸延伸ポリ四フッ化エチレン補填用パッチは心房中隔欠損閉鎖や心房中隔形成に極めて有用であるものと考える.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 多軸延伸構造, ポリ四フッ化エチレン, 補填用パッチ, 巨大心房中隔欠損孔, 心房中隔形成
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