| Abstract ： |
肺血流減少を伴ったチアノーゼ性心疾患59例に対してExpanded Polytetrafluoroethlene Tube(E-PTFE)を用いて短絡手術を行った. なお同期間中に通常の方法で短絡手術を行った69例を対象として手術成績および長期開存性について検討を行った. 年齢はE-PTFE群生後11日から16歳(平均4歳5ヵ月), 対象群は生後1ヵ月から10歳(平均3歳4ヵ月)であった. 手術はE-PTFE群ではBlalock-Taussig手術42例, 大動脈肺動脈間短絡術13例, 無名動脈肺動脈間短絡術4例であった. また対象群ではBlalock-Taussig手術65例, Waterston手術4例であった. 手術死亡はE-PTFE群6例(10.2%), 対照群2例(2.9%)であった. なお晩期死はE-PTFE群で2例(うち1例は対象群の晩期死亡の1例と同一症例である. )であった. 術後1ヵ月以内の短絡手術の早期閉塞はE-PTFE群で5/59(8.5%), 対象群で4/69(5.8%)であった. 術後1ヵ月以上経過した晩期閉塞はE-PTFE群のみに認め3/59(5.1%)であった. なおE-PTFE群のActuarial Graft Patency curveにおいては4年目で77.5%を示した. 以上より術後2～3年の間では, E-PTFEは臨床上十分に使用に耐えうると思われた. |
