アブストラクト(29巻7号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 高度肺高血圧を伴った心室中隔欠損症に対する根治手術および二期的根治手術の遠隔期成績
Subtitle : 原著
Authors : 石倉義弥*, 木曽一誠, 小田桐重遠*, 加藤一昭**
Authors(kana) :
Organization : 済生会宇都宮病院心臓血管外科, *産業医科大学第2外科, **済生会宇都宮病院小児科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 29
Number : 7
Page : 1180-1186
Year/Month : 1981 / 7
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : われわれは48例のPp/Ps0.75以上の高度肺高血圧を伴ったVSD症例に対し, 10例はPAB後二期的に, 他は一期的根治手術を施行した. 手術死亡は9例(18.7%)であり, 2~10年のfollow upで2例(5.1%)の遠隔死を見た. 術直後および遠隔期にPH残存は16例(33%)に見られたが, 術前純酸素またはトラゾリンテストで肺動脈圧の著明低下例には少なく, 2歳以下ではASDまたはPDA合併例かleak残存例であったが, 3歳以上症例では肺血管病変の進行によるものと思われるものが多かった. 1歳未満でPABを行った症例は10例中3例にECGも正常になり, 肺血管病変も認めず, 経過良好のものが見られた. 術後右脚ブロックのあるもの, とくに心肥大の所見のあるものは心拡大も残存し経過も良好といえないものが86%で, これらは右室切開例の75%に見られた. 少しでも術後障害を残さぬよう, われわれは細心の手術を心がけるよう努力すべきである.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 心室中隔欠損症, 肺高血圧症, 肺動脈絞扼術, 根治手術, 遠隔成績
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