アブストラクト(29巻7号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 不全型マルファン症候群に伴う解離性胸腹部大動脈瘤に対する手術治療経験
Subtitle : 症例
Authors : 久米進一郎, 遠藤健, 十九浦敏男, 山田崇之, 浅野献一
Authors(kana) :
Organization : 東京医科歯科大学医学部第2外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 29
Number : 7
Page : 1219-1224
Year/Month : 1981 / 7
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 胸腹部大動脈瘤は手術手技上の困難さ, 発生頻度の低さなどから耐術例の報告は少なく, 本邦では腹部主要動脈の再建を行った成功例は13例であり, とりわけ主要4動脈全置換例は2例にすぎない. われわれは最近, 不全型マルファン症候群に伴う解離性胸腹部大動脈瘤に対し, 人工血管置換, 腹腔動脈, 上腸間膜動脈, 両側腎動脈の再建に成功した. 症例は29歳男性で腹部拍動性腫瘤を主訴に来院. 血管造影にて横隔膜直下に内膜亀裂を有し, 第11胸椎下部より腸骨動脈分岐部に至る解離性胸腹部大動脈瘤を認めた. 手術はDeBakey変法にて施行, 左骨盤30度挙上, 上半身右側臥位にて第7肋間および腹部正中切開にて開胸開腹, 左側より後腹膜腔に入り左腎を含む全腹部内臓を右側に脱転して動脈瘤に到達し, Y字型人工血管を左右腸骨動脈と端側吻合, 第11胸椎の高さで胸部大動脈と端々吻合し, 各分枝への血行を確保しつつ, 遮断部位をずらせながら腹腔動脈, 上腸間膜動脈, 左腎動脈, 右腎動脈の順に人工血管に直接吻合した.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 不全型マルファン症候群, 胸腹部大動脈瘤, 腹部主要4分枝再建, DeBakey変法
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