アブストラクト（29巻8号：日本胸部外科学会雑誌）
| Title ： | 拍動流体外循環の実験的研究─末梢循環機能および形態学的変化に及ぼす影響─ |
|---|---|
| Subtitle ： | 原著 |
| Authors ： | 舟波誠, 高場利博, 石井淳一 |
| Authors（kana） ： | |
| Organization ： | 昭和大学医学部外科 |
| Journal ： | 日本胸部外科学会雑誌 |
| Volume ： | 29 |
| Number ： | 8 |
| Page ： | 1305-1315 |
| Year/Month ： | 1981 / 8 |
| Article ： | 原著 |
| Publisher ： | 日本胸部外科学会 |
| Abstract ： | 体外循環中の末梢循環機能と形態学的変化を左右する因子として拍動流の有無が重要視される. 本研究では雑種成犬による4時間の長時間拍動流・無拍動流体外循環について比較検討し, 以下の結果を得た. 1. 拍動流ポンプは生理的動脈波形に類似した大きな脈圧波形を呈した. 2. 拍動流潅流は無拍動流潅流に比し, 良好な腎血流量を維持し, 腎血管抵抗の上昇率も低いことを認めた. 3. 腎皮質, 十二指腸筋層組織血流量において拍動流潅流は体外循環240分経過時でも減少傾向はなく, 微小循環の保持は良好であった. 4. 全身酸素消費量, 混合静脈血pHおよび酸素分圧において拍動流潅流, 無拍動流潅流ともに差異は認めなかった. 5. 尿量, 尿中Na/K比, 尿・血清浸透圧比において拍動流潅流, 無拍動流潅流ともに差は認めなかった. 6. 腎皮質, 膵組織微細構造の変化は無拍動流潅流において著明で, 拍動流潅流はより正常に近い状態が維持された. 以上の成績より, 長時間体外循環において拍動流潅流はより正常な末梢循環と形態を保持しえ, その有効性を確認した. |
| Practice ： | 臨床医学：外科系 |
| Keywords ： | 拍動流ポンプ, 腎血流量, 腎皮質組織血流量, 十二指腸筋層血流量, 腎皮質・膵微細構造 |
