アブストラクト(29巻9号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 僧帽弁閉鎖不全を伴った左冠動脈肺動脈起始症の1治験例
Subtitle : 症例
Authors : 原田順和*, 塩井健介*, 西谷泰*, 丁栄市*, 安藤正彦**
Authors(kana) :
Organization : *西新井病院循環器センター, **東京女子医科大学日本心臓血圧研究所小児科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 29
Number : 9
Page : 1530-1535
Year/Month : 1981 / 9
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 5歳女児で僧帽弁閉鎖不全を伴った左冠動脈肺動脈起始症に対し, 自家大伏在静脈片を大動脈と左冠動脈主幹部との間にinterposeし, 冠血行再建を行った. 僧帽弁閉鎖不全に対しては冠血行再建後の心機能改善による軽減を期待し手術操作は加えなかった. 術後の左室造影では僧帽弁閉鎖不全の軽減を認めた. 冠動脈造影ではgraftの開存は確認されたが左冠動脈壁は不整で一部にはAneurysmの形成を認め, このためと思われる冠動脈の一過性の血栓塞栓症を来した. 術直後よりの抗凝固療法が必要であったと思われる. 今後ともgraftの開存性や僧帽弁閉鎖不全の程度についての観察が必要であると考える. 左冠動脈肺動脈起始症はBland-White-Garland症候群とも呼ばれ稀な疾患である. 近年本邦においても外科手技の改善に伴いその手術成績は向上してきた. 最近著者らは僧帽弁閉鎖不全を伴った本症に対し, 自家大伏在静脈片を用いた大動脈冠動脈吻合術を行い若干の知見を得たので報告する.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 左冠動脈肺動脈起始症, Bland-White-Garland症候群, 僧帽弁閉鎖不全
このページの一番上へ