| Authors ： |
田代忠, 畑島陽, 田尻敏行, 深水良, 今村博仁, 緒方充彦, 坂本照夫, 古賀義行, 相羽志雄, 熊手宗隆, 星野芳弘, 赤川治夫, 青柳成明, 横倉義武, 大石喜六, 古賀道弘 |
| Abstract ： |
拍動が生体の循環に及ぼす意義と重要性に関しては多くの研究結果で知られるところである. 今回, 我々は拍動流体外循環の腎機能に及ぼす影響について. 非拍動流体外循環と比較検討した. 拍動流群(以下, PF群)10例, 非拍動流群(以下, NPF群)13例について, 術前, 体外循環中1時間ごと, 術直後, 術後4日間の各時点で, 尿量, 自由水クリアランス, クレアチニンクリアランス, 尿素窒素クリアランスを測定した. 尿量は, PF群において多い傾向がみられたが両群間に有意差を認めなかった. 自由水クリアランスは, PF群が, 体外循環中, 術後を通じて良好に保たれており, 体外循環0～60分, 術直後, 術日, 術後2日目において両群間に有意差がみられた. クレアチニンクリアランスは, 体外循環が長くなるにつれて両群共低下する傾向がみられたが, 術直後においてPF群に早い回復がみられ, 両群間に有意差を認めた. ウレアクリアランスは, 両群間に有意差を認めなかった. 以上の成績から, 拍動流体外循環は, 開心術における腎機能の保持に有用であると考えられた. |
