アブストラクト(30巻6号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 心筋灌流冷却法を用いた開心術
Subtitle : 原著
Authors : 村上泰治*, 山本満雄*, 佐野俊二*, 紀幸一*, 吉田英生*, 青景和英*, 納所實*, 川上俊爾*, 名和清人*, 妹尾嘉昌*, 寺本滋*, 福田保**, 新太喜地***
Authors(kana) :
Organization : *岡山大学医学部第2外科, **岡山大学医学部薬剤部, ***岡山大学医学部中央手術部
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 30
Number : 6
Page : 1102-1107
Year/Month : 1982 / 6
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 我々は71例の開心術症例に心筋灌流冷却法を用い心機能及び心筋代謝よりその評価を試みた. 症例の内訳は弁膜症47, 先天奇型21, 虚血性心疾患2, 大動脈瘤1である. 心停止及び灌流冷却液はKCl40mMを含むPH7.5, 浸透圧430mOsm/lを用いた. 手術死は4例で3例は大動脈遮断時間が121から180分で, 1例は66分であり, そのうち低心拍出量で失ったのは1例のみである. 大動脈遮断時間60分以内をA群(37例), 61分以上をB群(34例)に分けると除細動を要したもの, カテコールアミンを要したもの, 不整脈が出現したものは両群間に著明な差が見られなかった. 心機能をCI, SI, LVSWIでみると術前, 術後両群間に有意の差は見られなかった. 心エコー図を用いEF, mVcf, %△Dを算出し術前, 術後を比較しても両群間に有意差は見られなかった. LDH, CPK及びそのアイソザイムを測定すると, LDHは術後1週間, CPKは3日間有意に上昇した. LDH1アイソザイムは有意の上昇が見られず, CPK-MBは術当日のち上昇した. 以上より我々の用いた心筋灌流冷却法はほぼ満足できる結果が得られたが3時間を超える大動脈遮断については更に症例を重ね検討を加える必要がある.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 心筋灌流冷却法, 心停止液, LDH・CPKアイソザイム
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