アブストラクト(30巻6号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 胸腺カルチノイドの1例
Subtitle : 症例
Authors : 河原崎秀雄*, 吉村敬三*, 原田幸雄*, 山口貴司*, 岡厚**, 室博之***
Authors(kana) :
Organization : *浜松医科大学第1外科, **東京大学医学部胸部外科, ***浜松医科大学第2病理
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 30
Number : 6
Page : 1165-1170
Year/Month : 1982 / 6
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 胸腺カルチノイドはまれな疾患であり, 本邦15例, 海外26例の報告がある. この文献記載例41例中の中にはACTHやMSHが高値でクッシング症候群を呈する症例が6例あるが, カルチノイド症候を呈する症例は自験例のみである. 症例は42歳女性で, 入院の2年前から顔面, 手掌の皮膚紅潮, 動悸, 両側肩の痛みを訴え, 集団検診にて前縦隔腫瘍を疑われて当科へ入院した. 胸骨正中切開にて11×8×4cm, 210gの腫瘍と右胸壁の転移と思われる直径2cmの結節を3ヶ切除した. 病理組織学的検索の結果, 好銀性顆粒を有する胸腺カルチノイドの胸壁転移と診断した. 術後5FU750mg/日の化学療法を施行し, 1ヵ月後に退院したが, 1年3ヵ月後に右胸腔の転移を認めた. この転移巣に対して4000Rの放射線療法を施行したところ, 転移巣は消失し, 術後3年2ヵ月を経過し再発及びカルチノイド症候を認めず順調である.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 胸腺カルチノイド, 胸腺腫瘍, カルチノイド
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