アブストラクト(30巻6号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 食道憩室及び気管支分岐異常を伴った成人の先天性食道気管支瘻の治験例
Subtitle : 症例
Authors : 田中文隆*, 福間誠吾*, 沢田勤也*, 関保雄*, 石田逸郎*, 桑原竹一郎**
Authors(kana) :
Organization : *千葉県がんセンター病院呼吸器科, **千葉県がんセンター病院研究所病理
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 30
Number : 6
Page : 1185-1189
Year/Month : 1982 / 6
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 43歳, 男性で15歳時に肺炎に罹患し, 以後食事中の咳嗽発作を訴えていた症例を, 食道造影及び気管支鏡検査所見から, 中部食道憩室と右B6気管支との食道気管支瘻と診断した. 右開胸下に瘻管の食道側を憩室を含めて切離し, 右S6区域切除を行った. 切除標本の病理組織学的所見から先天性食道気管支瘻と診断された. 本症例はBraimbridge I型に分類されるが, 本型は極めてまれで, 本邦6例目の報告である. 非閉鎖性先天性食道気管支瘻では, 気管支性嚢胞あるいは肺分画症などの合併がしばしば認められ, これら奇型の合併が先天性食道気管支瘻の診断根拠ともなる. 本症例にも気管支分岐異常が認められた. 成人の先天性食道気管支瘻は比較的まれな疾患であり, 本邦では現在までに66例の報告をみるにすぎない. その上, 成因あるいは遅い病状の発現など不明点が多い. 我々は今回, 食道憩室と気管支分岐異常を伴った成人の先天性食道気管支瘻の症例を経験したので文献的考察を加えて報告する.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 先天性食道気管支瘻, 食道憩室, 気管支分岐異常, Braimbridge I型
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