アブストラクト(30巻7号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 肺血管外水分量に及ぼす開胸侵襲の影響-二重指示薬希釈法による定量-
Subtitle : 原著
Authors : 石見賀正, 掛川暉夫
Authors(kana) :
Organization : 久留米大学医学部第1外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 30
Number : 7
Page : 1273-1284
Year/Month : 1982 / 7
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 食道癌患者のような高齢者に開胸侵襲が加えられた場合には, 術後肺合併症の発生頻度は決して低くない. そこで術後肺合併症の種々の要因のうち重要と考えられる開胸術と肺圧排操作及び過剰な水分投与が, 肺血行動態, 特に肺合併症発生に密接な関係をもつ肺血管外水分量に与える影響について検討した. 現在肺血管外水分量を正確に定量する方法は確立されていないが, 熱と色素による二重指示薬希釈法を使用して, 肺血管外水分量を雑種成犬を用いて実験的に測定し, 次の結果を得た. 1. 摘出肺乾燥重量法による肺血管外水分量に対して, 二重指示薬希釈法はその92%を測定し, 両測定法間に有意(p<0.001)な高い相関関係を認めた. 2. 開胸及び肺圧排操作は肺血管外水分量を有意(p<0.01)に増加させた. 3. 術中のみの過剰な生食水負荷と術後のみの過剰な生食水負荷を比較すると, 肺血管外水分量の増加は同程度であった. 4. 術中並びに術後を通して過剰の生食水負荷を施行すると, 術中負荷の影響に術後負荷が加わり, 著明に肺血管外水分量が増加した.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 肺血管外水分量, 二重指示薬希釈法, 術後肺合併症, 肺血行動態, 血漿膠質浸透圧
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