Title : |
代用血管による上大静脈の血行再建 |
Subtitle : |
症例 |
Authors : |
長谷川嗣夫*, 小藤田敬介*, 福島鼎*, 羽田圓城*, 木村壯介*, 原田三紀夫*, 大原務*, 吉良枝郎**, 小池盛雄***, 二ノ村信正*** |
Authors(kana) : |
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Organization : |
*自治医科大学胸部外科, **自治医科大学呼吸器内科, ***自治医科大学病理 |
Journal : |
日本胸部外科学会雑誌 |
Volume : |
30 |
Number : |
7 |
Page : |
1308-1317 |
Year/Month : |
1982 / 7 |
Article : |
報告 |
Publisher : |
日本胸部外科学会 |
Abstract : |
上大静脈症状群を伴った悪性縦隔内病変4症例に対し, 腫瘍摘除と代用血管を用いた上大静脈の血行再建を行った. 症例は肺癌1例, 悪性胸腺腫2例, carcinoid1例で, 肺癌の1例は術後9ヵ月で全身転移のため死亡した. 悪性胸腺腫の2例は術後11ヵ月, 13ヵ月後の今日健在であり, carcinoidの1例は術後2年4ヵ月で局所の再発がみられて再手術を行ったが, 初回手術後2年9ヵ月の現在健在である. 4例とも上大静脈血行再建部に変化はなく, 上大静脈症状群の再発は認められていない. 代用血管としてはwoven teflon graftもしくはexpanded polytetrafluoroethylene graft(Gore Tex)を用い, 術後は抗血小板薬剤を使用した. また術後はいずれにも放射線照射を加えてあり, 代用血管も照射野に入っているが, 照射による代用血管への影響はないと思われた. Woven teflon graftは術後次第に短縮する傾向が強く, 左腕頭静脈のgraftは閉塞しやすく, この閉塞は周囲組織からの圧迫が大きな要因と考えられるので, graftを置く位置について今後検討を要すると思われる. |
Practice : |
臨床医学:外科系 |
Keywords : |
上大静脈症状群, 静脈血行再建, 代用血管, 胸腺腫, carcinoid |