アブストラクト(30巻7号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 持続陽圧呼吸と中心静脈栄養の併用による食道癌術後乳糜胸の1治験例
Subtitle : 症例
Authors : 渡辺正敏, 鈴木俊輔, 大津友見, 和田守史, 斉藤和好, 籏福哲彦, 森昌造
Authors(kana) :
Organization : 岩手医科大学第1外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 30
Number : 7
Page : 1330-1335
Year/Month : 1982 / 7
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 患者は67歳の女性. 中部食道癌で食道亜全剔とリンパ節郭清を行い, 胸腔内経路で胃管を左頸部に挙上し食道胃端側吻合を施行した. 術後第2病日に胸腔ドレーンからの乳糜の排出と呼吸循環系の圧迫症状が著明となったため, 術後乳糜胸, 乳糜縦隔の診断で再手術を行った. 手術は乳糜貯溜による上縦隔のタンポナーデを認めたため切開排液を行ったが, 漏出部位は判然とせずやむなく横隔膜上で大動脈と奇静脈の間に8字縫合を行った. 再手術後も呼吸不全と乳糜の漏出が遷延するためrespiratorによる持続陽圧呼吸と中心静脈栄養を併施した. 乳糜量は第7病日まで連日3,000ml前後と大量であったが, 第8病日は1,600mlと減少し, その後も漸減し第15病日には胸腔ドレーンを抜去できた. 本症はその治療に難渋する場合が多いが, 中心静脈栄養での栄養管理と持続陽圧呼吸による肺膨脹と胸腔内死腔の減少により, 再手術後も引続く大量の乳糜漏出が自然閉鎖を来したと考えられた.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 持続陽圧呼吸, 食道癌術後乳糜胸, 中心静脈栄養, 上大静脈症候群, 自然閉鎖
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