アブストラクト(30巻8号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 乳幼児大動脈縮窄症の外科治療, 特に遠隔期の上下肢血圧からみた大動脈再建術式の評価
Subtitle : 原著
Authors : 赤坂忠義, 伊藤健二, 大川恭矩, 清水進, 和気一夫
Authors(kana) :
Organization : 神奈川県立こども医療センター胸部外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 30
Number : 8
Page : 1337-1345
Year/Month : 1982 / 8
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 1981年6月までに, 乳幼児大動脈縮窄症40例に対し, 50回の手術を経験した. I期手術後18例(45%), II期手術後4例計22例の死亡を見,Overall mortalityは55%である. 死亡は大部分が6ヵ月未満症例で, すべて動脈管開存症以外の心内奇型を合併していた. 術後1ヵ月以上生存した22例につき, 上下肢血圧測定値から, 大動脈再建術式, 又手術時年齢について検討した. 対象症例は, 切除, 端々吻合術後6例, 鎖骨下動脈フラップ法術後7例, パッチ法術後4例, Blalock-Park法術後2例, 他に縮窄放置例が3例である. 術後の上下肢血圧差から大動脈再建術式を評価するため3段階に大別した. すなわち圧差10mmHg以下をGood, 10~30mmHgをFair, 30mmHg以上をPoorとした. これに従うと, 端々吻合後は1年で5/6がGoodであるが経時的にFair~Poorの症例が見られるようになる. 鎖骨下動脈フラップ法後は1年で4/4がGood, で以後Poorを示すものはない. 年齢6ヵ月以上に採用したパッチ法後はGood~Fairを示している. 一方手術時年齢を6ヵ月で区切ると, 未満症例では術後1年で7/9がGood, 2年で5/8がGood, 3年で2/5がGoodとなりそれとともにFair~Poorの症例がみられてくる. 6ヵ月以上症例では1年で4/5がGoodを示し経過中Poorを示したものはない. 現在までの術後経過では, 6ヵ月未満症例では鎖骨下動脈フラップ法により, 6ヵ月以上では, パッチ法により, 大動脈再建を行うのが良いと思われるが, 6ヵ月未満症例でも, 縮窄部の形態によりBlalock-Park法を採用して吻合口の良好な発育をみたものもあった.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 大動脈縮窄症, 大動脈再建術式, 吻合口の発育, 上下肢間血圧差, 再狭窄
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