アブストラクト(30巻8号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 連合弁膜症-3弁外科治療例の臨床検討
Subtitle : 原著
Authors : 樗木等, 今村栄三郎, 橋本明政, 林久恵, 小柳仁
Authors(kana) :
Organization : 東京女子医科大学心臓血圧研究所外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 30
Number : 8
Page : 1386-1391
Year/Month : 1982 / 8
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 手術手技及び周辺手技向上に伴い, 3弁外科治療例が増加しつつあるが, 我々の教室において, 1974年から1980年までに62例の3弁外科治癒を経験した. 急性期死亡8例(12.9%), 遠隔期死亡4例((6.5%)であった. 死因は, 急性期:出血6例, LOS4例, 不整脈2例, 脳神経障害1例, 遠隔期:感染3例不明1例であった. 施行された手術は, 大動脈弁置換(以後AVR)-僧帽弁置換(MVR)-三尖弁形成術(TAP)47例, MVR-大動脈弁形成術(AVP)-TAP7例, 僧帽弁交連切開術(OMC)-AVR-TAP3例, OMC-AVP-TAP3例, MVR-AVR-三尖弁置換(TVR)2例であった. TAPは主にDe Vega法を用いて安定した成績を得ている. 術前の心機能の検討にて, 左心機能低下のみならず右心機能低下がみられ, 死亡例において, その傾向が強かった. 生存例における外科的療の結果は, ほぼ満足できるといえるが, NYHA分類にてIII,IV度が残在しており今後の問題と言える. 術後のCTRは有意の改善を得た. 生存例, 死亡例ともに, 周辺臓器機能低下例が多かったが, 死亡例において, 特に腎機能低下が多かった. 死因と弁病変, 外科治療との直接の関連は見出せなかった. 右心不全の指標として, 右表拡張末期圧は, よい指標となりうる. 死因は, 一因的ではなく, 多方面にわたる注意のもとに死亡率の低下が得られると思われた.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 連合弁膜症, 3弁外科治療, 右室拡張末期圧, 経皮的IABP, 周辺臓器障害
このページの一番上へ