アブストラクト(30巻8号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 胸部食道がん患者における細胞性免疫能の検討
Subtitle : 原著
Authors : 多幾山渉, 峠哲哉, 柳川悦朗, 平井敏弘, 三好雪久, 服部孝雄
Authors(kana) :
Organization : 広島大学原爆放射能医学研究所外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 30
Number : 8
Page : 1428-1433
Year/Month : 1982 / 8
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 胸部食道がん85例を対象に各種免疫学的パラメーターの術前値を検討した. PPD, PHA, SK-SD及びCD皮内反応値は進行度と相関があり, リンパ球幼若化反応などのパラメーターを加えることにより予後をある程度推測することが可能である. 胸部食道がん, 胃がん及び大腸がん患者のPHA及びPWMに対するリンパ球幼若化反応値は正常者群に比較して著明に低下した. 一方, リンパ球幼若化反応に対する血清阻止効果は胃がん及び大腸がん患者では認められたが, 胸部食道がん患者では認められなかった. 胸部食道がん患者のKATOIII細胞に対するNK活性は健康者及び胃がん患者に比べ有意に低下し, 一方ConA誘導サプレッサー細胞活性は有意に高値を示した. 胸部食道がん患者の細胞性免疫能は著明に低下しており, 免疫抑制機序には血清因子よりはむしろサプレッサー細胞が重要な役割りを占めていると思われた. このことは, 胃がんあるいは大腸がんと異なっており, 胸部食道がん患者の免疫抑制機序には特異性があることが示唆された.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 胸部食道がん, 皮内反応, リンパ球幼若化反応, NK活性, サプレッサー活性
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