アブストラクト(30巻8号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 大動脈弁閉鎖不全を伴った右冠動脈起始異常症の1治験例
Subtitle : 症例
Authors : 神吉豊*, 大賀興一*, 中村昭光*, 中路進*, 橋本勇*, 渡辺郁美**, 勝目紘**, 玉利公正***
Authors(kana) :
Organization : *京都府立医科大学第2外科, **京都府立医科大学第2内科, ***大津市民病院心臓血管外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 30
Number : 8
Page : 1477-1483
Year/Month : 1982 / 8
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 大動脈弁閉鎖不全症を伴った右冠動脈起始異常に対して, AVRを施行するとともに右冠動脈大動脈移殖術を施行し満足のいく結果を得たので報告する. 症例は43歳女性. 20年前より弁膜症を指摘されていたが放置していた. 約10年前より狭心痛発作が出現し, 年々その頻度も増加し入院精査の結果, AR(SellersIII°), 及び右冠動脈が左バルサルバ洞より約2cm末梢より起始していることが明らかとなった. 本症例の狭心痛発生機序には右冠動脈起始異常が関与していると考え, Bjork-Shiley21ABPでAVRを施行するとともに, 右冠動脈大動脈移殖術を施行した. 術後6ヵ月時の諸検査でも満足のいく結果を得, 約1年を経過した現在元気に社会復帰している. 右冠動脈起始異常の場合, 突然死に対する予防的な手術は不必要との意見もあるが, 症例によっては手術の適応となるものもあり, 冠動脈大動脈移殖術も一考されるべき術式かと考える.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 左バルサルバ洞, 右冠動脈大動脈起始異常, 狭心痛, 右冠動脈大動脈移植術
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