アブストラクト(30巻8号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 心膜形成術を行った左心膜全欠損の1例
Subtitle : 症例
Authors : 川田志明, 鈴木一郎, 稲村俊一, 福田崇典, 小川純一, 井上宏司, 小出司郎策, 正津晃
Authors(kana) :
Organization : 東海大学医学部外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 30
Number : 8
Page : 1484-1490
Year/Month : 1982 / 8
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 心膜欠損症の術前診断は困難で, 開胸術中や剖検時に偶然発見されることが多いとされている. 我々は14歳男子の胸部レ線像で心陰影の左側偏位, 2・3弓の膨隆などの所見から先性左心膜全欠損を疑い, 体位による胸部レ線・心電図の変化などを検索の後, 人工気胸術によって診断を確定した. 心膜欠損症は無症状のうちに経過するものが多いが, 時には重篤な症状を来すものもあり, 欠損孔からの脱出, 嵌頓による胸痛, 不整脈のほか急死例の報告もある. 従来, 小欠損例に対する外科治療が論じられてきたが, 完全欠損例でも嵌頓急死例が報じられていることから, 自験例に対しても人工膜を用いた心膜形成術を行い順調に経過しているので報告した.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 先天性心膜欠損, 人工気胸, 心臓嵌頓, 失神発作, 心膜形成術
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