アブストラクト(30巻9号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 大動脈一冠動脈バイパス手術100症例の検討-特に移植血管開存について-
Subtitle : 原著
Authors : 片岡善彦
Authors(kana) :
Organization : 小松島赤十字病院循環器科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 30
Number : 9
Page : 1507-1513
Year/Month : 1982 / 9
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 1977年9月より大動脈-冠動脈バイパス手術(以下A-Cバイパス手術と略す)を開始してより, 1981年9月までの虚血性心疾患に対する外科治療症例は113例に達したが, 今回1981年7月までのA-Cバイパス手術100症例を取り上げて検討を加えた. 手術死亡は4例で, 手術死亡率4%, 術後1ヵ月を超えた遠隔死亡は1例で, 総死亡率は5%であった. A-Cバイパス手術の内容は, 1枝バイパス20例, 2枝バイパス32例, 3枝バイパス39例, 4枝バイパス8例, 5枝バイパス1例であった. 術前後の血行動態面での比較検討では, 左心室駆出率(EF), 左心室内圧変化率(LVdp/dt), 左心室拡張期終末圧(LVEDP)について行った. EF及びLVdp/dtについては有意の改善傾向がみられたが, LVEDPについては術前後に有意差は認められなかった. 但しLVEDPにおいては運動負荷による変化は調べていない. 術後4週間以降に行うことのできた移植血管造影検査での移植血管開存の検索では, 総開存率82%, 最近の20症例における開存率は89%であった. また移植血管血流量と移植血管-冠状動脈枝血管抵抗値を測定し, 移植血管開存との関連性を検討し, 3者間に比較的明確な関係が存在することが示唆された. 従って今までの移植血管流量, 流量波型をみるだけでなく, 移植血管抵抗値を測定することも移植血管開存の予後を予測することに有効な手段の1つと考えた. 更に虚血性心疾患に使用されるNitroglycerin, Dipyridamole及びProstaglandin E1の3種の薬剤が移植血管血流に与える影響に検討を加えた.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 大動脈-冠動脈バイパス手術, aorto-coronary bypass surgery, 移植血管開存, 移植血管-冠状動脈枝血管抵抗
このページの一番上へ