Abstract : |
DBcAMPの血行動態並びに代謝動態に及ぼすdose response及び作用持続時間を開心術後35症例で検討した. 心係数は, I群-DBcAMP 0.05mg/kg/minでは2.36±0.4から2.73±0.441/min/m2 (p<0.05a, II群-0.1mg/kg/minでは2.73±0.72から3.26±0.64l/min/m2 (p<0.01), III群-0.2mg/kg/minでは2.55±0.77から3.36±0.88l/min/m2 (p<0.001), IV群-0.3mg/kg/minでは2.73±0.72から3.93±0.75l/min/m2 (p<0.001)へとdose dependentに増加した. 1回拍出係数はI群で23.6±4.0から26.1±5.1ml/beat/m2へと増加したが有意でなかった. II群では30.5±8.0から34.6±7.6ml/beat/m2, III群24.2±8.0から39.3±7.5ml/beat/m2 (p<0.001), IV群30.5±8.0から39.3±7.5ml/beat/m2 (p<0.001)へと増加した. 全末梢血管抵抗もdose dependentに低下が著明であった. 心拍数はIV群においてのみ有意な増加をみた. 動脈血insulinはI群においてのみ有意でなかったが, II群11.8±9.6から32.8±34.6μU/mlへ, III群19.3±11.8から66.3±46.6μU/ml (p<0.01), IV群20.8±13.5から79.6±58.8μU/ml(p<0.01)へと有意に増加した. 心筋酸素摂取率もI群を除いて, II群52.1±12.2から46.1±14.4%へ, III群53.4±11.3から44.2±14.2%へ, IV群47.3±15.3から32.4±17.6%へと有意に低下(p<0.01)をみた. これら血行動態, 代謝動態は約120分持続したので, 開心術後低心拍出量症候群治療に際しては120分以内の間歇頻回投与が効果的であると結論された. |