アブストラクト(30巻10号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : Aortico-Left Ventricular Tunnelの1手術治験例
Subtitle : 症例
Authors : 福田豊紀1), 鈴木暁1), 小柳博靖1), 小田豊1), 今村洋二2)
Authors(kana) :
Organization : 1)都立清瀬小児病院心臓血管外科, 2)慶応義塾大学医学部外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 30
Number : 10
Page : 1747-1752
Year/Month : 1982 / 10
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : Aortico-Left Ventricular Tunnelの1例に手術を行い, 経過良好であるので文献的考察を加えて報告する. 症例は13歳男児. 6カ月の時に心室中隔欠損症を, また5歳時に大動脈弁閉鎖不全の合併を疑われたが無症状で経過していた. 心臓カテーテル検査で左右短絡は証明されず大動脈造影で左室への逆流と, 右バルサルバ洞の左前上方に小動脈瘤が認められたため, 本症又はバルサルバ洞動脈瘤左室内破裂の疑いで手術を施行, 術中に本症と診断し大動脈側のtunnel開口部を直接縫合閉鎖した. Aortico-Left Ventricular Tunnelは非常にまれな先天性心疾患で, 現在までに26例の報告をみるのみで本邦での報告はまだない. 本症の多くは生後間もなくからto-and-fro murmurを聴取し, 約2/3に心不全症状が認められ, まれに突然死する例があるとされている. 手術は我々の例も含めて今までに21例に行われ, 5例死亡しているが, 新生児例及び乳児例の成績が不良である.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : Aortico-Left Ventricular Tunnel, バルサルバ洞動脈瘤
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