アブストラクト(30巻11号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 無血超低体温併用循環遮断法の実験的研究 -washout法-
Subtitle : 原著
Authors : 渡辺孝, 弥政洋太郎
Authors(kana) :
Organization : 名古屋大学医学部第1外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 30
Number : 11
Page : 1796-1802
Year/Month : 1982 / 11
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 超低体温併用循環遮断法において, より安全に, より循環遮断時間を延長する手段として, 遮断直前に, 乳酸リンゲル液と10%低分子デキストラン溶液の冷却混合液(3:1)で体内をwashoutした後, 循環遮断に移行する無血超低体温併用循環遮断法の実験的研究を行った. 雑種成犬20頭を用い, 中心冷却のみで鼻咽頭温で10℃まで体温を下降させ, 2群に分類した. I群; 無血循環遮断群 II群; 通常循環遮断群 1時間の循環遮断の後, 再加温を開始し, 鼻咽頭, 食道, 直腸のいずれかが37から38℃の温度に達した時点で体外循環を終了した. 末梢温として, 大腿及び下腿の筋肉内温を用い連続記録観察したが, I群はII群よりも温度較差等の面で良好な復温過程における変化を示した. 体外循環中経時的に, lactate, pyruvateを測定し, L/P比, excess lactateを算出したところ, I群はII群よりも, 嫌気性代謝から好気性代謝への移行が円滑であり, この傾向は, 復温開始時にexcess lactateが40mg/dl以上の, より嫌気性代謝に傾いたものほど顕著であった. noradrenalineは, 2群間に有意差はなかったが, adrenalineは, 循環遮断を終了し, 復温を開始した時点で, 有意にI群がII群よりも高値であった. これは, 生体のshockに対する反応性がI群で大であることを示すと思われた.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 体外循環, 超低体温, 循環遮断法, wshout
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