アブストラクト(30巻11号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : Prostaglandin E1の体外循環への応用
Subtitle : 原著
Authors : 桜井達夫, 泉雄勝
Authors(kana) :
Organization : 群馬大学医学部第2外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 30
Number : 11
Page : 1850-1859
Year/Month : 1982 / 11
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : Prostaglandin E1(PGE1)は強力な血管拡張作用, 抗血小板凝集作用及び抗ショック作用をもち, 肺循環において容易に不活性化される性質を持っている. 体外循環回路内にPGE1を投与することにより, 血小板数や機能を保護する抗血小板剤として, 更に適正な末梢血管抵抗を保つための血管拡張剤として臨床応用を試み, その至適投与方法につき検討した. まず, 人工心肺モデル実験において100ng/mlのPGE1を投与して血液循環を行い, 血球の変動をみた. その後臨床応用では, PGE1を100ng/ml充填し100ng/kg/minの点滴投与したPG-I群, 50ng/ml充填し50ng/kg/minの点滴投与をしたPG-II群, 25ng/ml充填し25ng/kg/minの点滴投与をした PG-III群, 及びPGE1を投与していない対照群の4グループに分けて, 血行動態, 血小板数, β-Thromboglobulinなどについて検討し, 以下の結論を得た. 1. 人工心肺モデル実験では, 血液循環60分, 120分においてPGE1投与群の方が対照群に比べ血小板数が有意に多かった. 2. PGE1の臨床投与は, 体外循環中の平均動脈圧及び末梢血管抵抗を低下させ, 強力な血管拡張作用を示した. また血小板数の維持にも有効であった. 3. PGE1の投与量並びに投与方法は, 体外循環中の平均動脈圧, 末梢血管抵抗及び血小板に対する作用などの点から, 50ng/ml充填し50ng/kg/minの点滴投与が, 安全かつ有効な投与法と考えられる.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 体外循環, Prostaglandin E1, 血小板, β-Thromboglobulin, 血管拡張剤
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