アブストラクト(30巻12号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 心室中隔欠損術後17年目に発症した細菌性心内膜炎に対する手術治験─三尖弁広範囲切除後弁形成術の1考察─
Subtitle : 症例
Authors : 八田光弘*, 永瀬裕三*, 副島健市*, 今村栄三郎*, 小柳仁*, 里見元義**, 高尾篤良**
Authors(kana) :
Organization : *東京女子医科大学心研外科, **東京女子医科大学小児科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 30
Number : 12
Page : 1990-1995
Year/Month : 1982 / 12
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : VSDパッチ閉鎖術後, 17年を経過し, 抜歯を契機に, 40℃に達する高熱の持続と高度の右心不全症状のため当院に入院した. 精査の結果two dimensional echoにて, 三尖弁に著明な疣贅の存在を示唆し, 感染巣は, 三尖弁及びVSDパッチに波及していることが考慮された. また, 肺シンチスキャンにおいては, 多発性陰影欠損像を得た. 6週間に及ぶ強力な抗生剤療法にかかわらず, 症状の改善を見ないため手術を施行した. 術中所見は, 予想に反して三尖弁尖に限局した感染巣であったため, その部位を広範囲に切除し, 残存した弁尖に, 形成術を施行することにより, 血行動態の安定を計った. 術後, 血行動態及び敗血症は著明に改善した. 右心系感染性心内膜炎に対しては, 弁置換術, 弁全切除術などが, 提唱されているが, 本症例における弁形成術の有用性を述べるとともに, 若干の考察を加えて, 報告する.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 細菌性心内膜炎, 心室中隔欠損, 三尖弁弁置換術, 三尖弁形成術, 手術適応
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