アブストラクト(30巻12号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 気管支脂肪腫の1例
Subtitle : 症例
Authors : 八板英道*, 原信之*, 田中康一*, 一瀬幸人*, 野下貞寿*, 宮崎一博*, 大田満夫*, 勝田弥三郎**
Authors(kana) :
Organization : *国立病院九州がんセンター呼吸器, **国立病院九州がんセンター病理
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 30
Number : 12
Page : 2010-2013
Year/Month : 1982 / 12
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 気管支脂肪腫は, 極めてまれな肺の良性腫瘍であり, 我々は本邦で7例目に当たる症例を経験したので報告する. 症例は49歳の女性で, 咳嗽を主訴とし, 胸部X線像では右上葉無気肺が認められた. 気管支鏡検査で, 右上葉入口部が表面平滑な黄白色の腫瘤で閉塞されているのが見られ, 良性腫瘍が疑われた. 生検を行ったが確定診断が得られず, 悪性腫瘍を完全に否定できないこと, 及び不可逆性の無気肺と考えられたため, 開胸手術を行った. 切除肺では, 腫瘤は区域気管支から茎を有して上葉幹入口部に突出し, 管腔を完全に閉塞していた. 組織学的には, 腫瘤は正常気管支粘膜で覆われ, ほぼ全体が成熟した脂肪細胞から成っており, 気管支脂肪腫と診断した. 気管支脂肪腫の組織学的診断には, ロンドン大学教授Dr. Spencerの御高診を仰いだ. 気管支脂肪腫は肺の良性腫瘍のなかでも非常にまれな腫瘍で, その頻度は肺の良性腫瘍の5%程度と言われている.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 気管支脂肪腫, 肺過誤腫, 肺の良性腫瘍
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