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竹内栄二, 堀田明男, 伊佐治文朗, 渡辺孝, 矢野洋, 塩井健介, 水川豊, 早瀬修平, 椙山直敏, 野垣英逸, 鷲津卓爾, 田中稔, 村瀬允也, 清水健, 阿部稔雄, 弥政洋太郎 |
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1978年9月以来, 開心手術の術中心筋保護にcold GIK cardioplegiaを利用している. 心停止液としてYoung氏液, それに続いて4℃に冷却したGIK液あるいはcold bloodを用い, ice slush, ice waterによるtopical coolingを加えて, 心室中隔温15～20℃を保つように心筋保護を行っている. それ以前には大動脈弁(A弁)置換手術においてselective coronary perfusion, 僧帽弁(M弁)置換手術においてischmic arrest, induced fibrillation, coronary perfusionなどを組み合わせて, 心筋保護を行ってきた. GIK液によるcardioplegia導入前後の弁手術の臨床成績を比較し, また, GIK cardio- plegia実施症例の安全性を血清酵素(GOT, LDH, CPK, MB-CPK)の面で検討を加えた. A弁に重症化, M弁に手術年齢の高齢化の傾向が認められたが, GIK cardioplegia導入以降, 心筋障害に起因するLOSによる死亡率は大幅に減少した. またD-C除細動を必要とした頻度も減少した. 術後3日間連続測定した, 血清GOT, LDHのpeak値は導入以降減少傾向を示した. GIK cardioplegia症例において, 術後3日間連続測定した, 血清GOT, LDH, MB-CPKのpeak値による検討では, 大動脈遮断時間120分までは, 有意に低値を示し, 心室中隔温15～20℃のGIK cardioplegiaでは, 弁疾患における手術で酵素学的な解析から, 120分まで術中心筋保護が良好に行われることを示した. |
