アブストラクト(31巻2号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 体外循環の心機能と心筋微細構造に及ぼす影響 -大動脈遮断と左室肥大の有無による比較検討-
Subtitle : 原著
Authors : 青景和英, 寺本滋
Authors(kana) :
Organization : 岡山大学医学部第2外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 31
Number : 2
Page : 133-144
Year/Month : 1983 / 2
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 開心術後の心機能の低下の成因を探る一環として, 実験的に90分の体外循環を行い, 術後の心機能と心筋微細構造の変化について検討した. 対象を, 術前の負荷としての左室肥大の有無, 術中の負荷として体外循環中の大動脈遮断の有無により4群に分けた. 心筋微細構造の変化の検討は, 左室自由壁心内膜側・中間層・心外膜質, 後乳頭筋部について行った. 1. 心機能は, 大動脈遮断群の特に左室肥大心群で最も低下した. 2. 心筋微細構造の変化は, 大動脈遮断群に強く, 特に左室肥大心群に著明であった. 3. ミトコンドリアスコアは, 大動脈遮断左室肥大群で最も低下した. 同群では心内膜側のスコアが心外膜側に比較し有意に低下した. 心筋微細構造の変化は, 心機能低下の傾向と同様であり, 形態学的傷害が心機能低下の成因であり得ることが示唆されたが, 特に左室肥大心においては, 心内膜側心筋の虚血に対する耐容性が低く, これが心機能低下を一層助長したと考えられた.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 体外循環, 大動脈遮断, 左室肥大心, 心機能, ミトコンドリアスコア
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