| Authors ： |
河内寛治, 北村惣一郎, 広瀬一, 中埜粛, 酒井敬, 榊原哲夫, 平中俊行, 谷口和博, 大山朝賢, 康重雄, 川島康生 |
| Abstract ： |
虚血性心疾患に対し, Aorto-coronary bypass術を施行した7例に対し, 術後平均6カ月に遠隔検査を施行した. 術前後ともに, 安静時及び運動負荷時に冠状静脈洞血流量(CSF)及び心筋酸素消費量(MVO2)を測定した, 1. 安静時の全量のCSFの術前・後の各々は, 103±9ml/min, 138±18ml/minとなり, 術後に有意の増加を認めなかった. 運動負荷時の術前・後の各々は208±23ml/min, 281±24ml/minとなり, 術後には有意の増加を認めた(p<0.001). 2. 術前後の安静時間のMVO2は有意の変動を認めなかったが, 運動負荷時には術後有意に増加した. 3. ejection fraction, mean VCF, peak wall stressは術前・後に有意の変動を認めなかった. 4. 1回心拍出量係数(SVI)は術前運動負荷1時には, 安静時に比して, 有意の増加を示さなかったが, 術後運動負荷時には, 有意の増加を認めた. 5. 以上のことから, 運動負荷時における術後のCSFの増加がSVIの術後運動負荷時の増加をもたらせ, 心予備能の改善をもたらせていることを示した. |
