Abstract : |
漏斗胸に対する手術法には大別してstemal elevationとsternoturnover methodとがある. しかし, どちらの方法にも多少の欠点が指摘され, 画一的な手術法はない. 我々は1971年以後90例の漏斗胸に対しsternal elevationを行った. 1971~1975年までは挙上した胸骨をKirschner wireで固定したが, 支持力が不十分で, 32例中12例が不満足な結果を示したために, 1975年以後は症例ごとにmetal strutを作成して挙上した胸骨を固定する術式を行って40例中35例に満足な結果を得ている. 不満足な結果の5例中4例は, いずれも使用した支持材料の不適正さによるものであって, この点を改良して現在は問題はなくなった. 残りの1例は23歳女子の右側のunilateral deep formで複数のstrutを使用すべきであったと反省させられた症例であった. 我々の手術法はstrutを抜去しなければならないという欠点はあるが, いかなる形や重症度の漏斗胸にもstrutの形を変えて適応できるという利点があるとともに, 手術に伴う血行障害の不安も全く認められない. |