アブストラクト(31巻3号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 進行肺癌外科治療におけるCTスキャンの診断能力
Subtitle : 原著
Authors : 木村誠1), 新保秀人1), 岡部学1), 坂井隆1), 三宅信也1), 並河尚二1), 湯浅浩1), 草川實1), 山口信夫2)
Authors(kana) :
Organization : 1)三重大学医学部胸部外科, 2)三重大学医学部放射線科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 31
Number : 3
Page : 345-353
Year/Month : 1983 / 3
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 近年, 全身CT装置の進歩, 普及には目覚ましいものがあり, 胸部外科領域においても肺癌症例の術前検査として欠くことのできないものとなってきている. 今回, 75例の原発性肺癌症例に対しCTスキャンを施行しその所見に基づいて決定したPre-Treatment Clinical T及びN因子を術中所見, 病理所見と対比することにより手術適応決定におけるCTスキャンの診断能力を主として進行肺癌症例について検討した. (I) T因子, 的確に造影を行うことにより左房及び肺門部大血管, 下行大動脈と腫瘍との立体的な関係は適宜, 三次元再構成をも行うことにより血管造影以上に正確に把握し得, 血管処理に極めて有用であった. また, 微量胸水の検出にも敏感であった. しかし, 胸壁浸潤の読みすぎ及び, 無気肺, 肺炎像と腫瘍実質との鑑別並びに腫瘍と葉間, 横隔膜との上下関係の把握がやや困難なためPre-Treatment Clinical TとPost-surgical Histopathological Tとの一致率は67%と低かった. (II) N因子, 径11mm大以上の縦隔リンパ節腫脹は79%の確率で部位に関わらずCT上, 描出可能であった. しかし, 結核性又は反応性増殖による縦隔リンパ節腫脹例も多いためPre-Treatment Clinical N2とPost-surgical Histopathological N2との一致率は53%と低くなり, 質的診断におけるCTの評価には更に検討を要すると思われた.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 進行肺癌, CTスキャン
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