Title : |
重症連合弁膜症に対する三弁置換の経験 -遠隔期における剖検所見と欧米における三弁置換例の成績を含めて- |
Subtitle : |
重症連合弁膜症, 三弁置換術, 三尖弁逆流の重症度判定, 三尖弁輪縫縮術, 心内膜下線維性肥厚 |
Authors : |
岡田昌義1), 久野克也1), 大谷静男1), 中村和夫1), 津嶋昭平2), 麻田榮3) |
Authors(kana) : |
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Organization : |
1)神戸大学医学部第2外科, 2)国立加古川病院外科, 3)高砂市民病院 |
Journal : |
日本胸部外科学会雑誌 |
Volume : |
31 |
Number : |
3 |
Page : |
401-409 |
Year/Month : |
1983 / 3 |
Article : |
報告 |
Publisher : |
日本胸部外科学会 |
Abstract : |
麻酔及び開心術中の心筋保護の進歩や工夫などとあいまって, 近年重症連合弁膜症に対しても積極的に手術が実施される気運にある. 著者らも18歳男子の重症連合弁膜症に対して三弁置換術を実施し, 臨床症状並びに血行動態の著明な改善を得良好な経過をたどっていた. ところが, 術後4年3カ月目に自宅で肺炎のため遠隔死を遂げた. 幸い剖検の機会を得たので, ここにその病理組織所見を併せ報告した. 本症例は若年者であり弁置換を可及的最小限にすべくAVR+MVRを行い, TRに対してはTAPを実施したのであるが, 体外循環からの離脱ができず, 結局TVRを追加し離脱し得た症例である. 重症連合弁膜症においては, このように弁機能の完全な修復が必須であることが示唆された. 剖検時には, 三個の人工弁に異常所見は認められなかったが, 心重量は1,000gと著明に肥大, 拡大し, 特に顕著な線維性肥厚が心内膜側に認められた. その他肺にはうっ血性水腫, 肝腎にもうっ血や肥大所見が確認された. 重症連合弁膜症に対する手術適応並びに術式の選択について著者らの治療方針を述べるとともに, 著者らが集計し得た欧米における三弁置換症例の成績について併せて報告した. |
Practice : |
臨床医学:外科系 |
Keywords : |
症例 |