Title : |
左室局所心筋壁収縮率よりみた冠動脈疾患手術例の評価 |
Subtitle : |
原著 |
Authors : |
村上泰治1), 今吉英介1), 永瀬久嗣1), 川上俊爾1), 名和清人1), 妹尾嘉昌1), 寺本滋1), 富田校朗2), 新太喜治2), 古谷四郎3), 土肥俊之4) |
Authors(kana) : |
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Organization : |
1)岡山大学医学部第2外科, 2)岡山大学医学部中央手術部, 3)岡山赤十字病院外科, 4)土肥病院外科 |
Journal : |
日本胸部外科学会雑誌 |
Volume : |
31 |
Number : |
4 |
Page : |
458-463 |
Year/Month : |
1983 / 4 |
Article : |
原著 |
Publisher : |
日本胸部外科学会 |
Abstract : |
左室局所壁運動の解析は今まで主観的, 定性的に表されてきた. 我々はコンピュータを用いてこの壁運動を定量的に表すことを試み更に手術症例についてこの方法を用いて検討した. RAO 30度にて行った左室造影を秒60コマのスピードで撮影しプロジェクターにて投影し収縮期と拡張期像をトレースした. コンピュータとデジタイザーを用いた左室容積と駆出分画を算出した. 大動脈弁と僧帽弁の移行部が一致するように収縮期像を移動させその一致点を0度とした. 収縮期左室像の重心より外縁に向かうradial lineを引き0から360度まで4度ごとに%radial shorteningを求めた. 次いで30から330度までを5分画し各セグメントの%RSの総和SegmentalΣ%RS, その平均値meanΣ%RS更にセグメントの面積の変化率segmental ejection fraction(Seg. EF)を求めた. 対照群10人の%RSを0から360度まで4度ごとにプロットすると二峰性の曲線が描かれる. mean±2SDを取りこの範囲からはずれるのを収縮異常とした. また10人の各セグメントにおけるmeanΣ%RSとSeg. EFはr=0.95のよい相関を示した. 冠動脈3枝病変非手術7例の各セグメントのSeg. EFを正常値と比較するとセグメント5以外は有意に低下した. 手術16例の内訳はA-Cバイパス10例, 左室瘤切除5例, plexectomy 1例である. 手術死はなくグラフトの閉塞率は20%(3/15本)であった. 瘤切除した5例では1例を除きセグメント 2, 3でSeg. EFの改善が見られた. A-Cバイパス及びplexectomyを行った11例ではセグメント1から5までSeg. EFの改善が見られたがグラフトの閉塞例ではSeg. EFが著明に低下している. 以上よりmeanΣ%RS及びSeg. EFは左室局所壁運動を表す示標となり得ることが判明した. |
Practice : |
臨床医学:外科系 |
Keywords : |
左室局所壁運動, %radial shortening, segmental EF |