アブストラクト(31巻4号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 心タンポナーデを伴った良性縦隔奇形腫の1例
Subtitle : 症例
Authors : 佐野俊二1), 清水康広1), 清水信義1), 妹尾嘉昌1), 寺本滋1), 古谷四郎2)
Authors(kana) :
Organization : 1)岡山大学医学部第2外科, 2)岡山赤十字病院外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 31
Number : 4
Page : 527-532
Year/Month : 1983 / 4
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 縦隔奇形腫は最も多い縦隔腫瘍の1つであるが, 隣接した心血管系への穿孔は極めてまれである. 著者らは最近良性縦隔奇形腫が心膜内に穿孔し心タンポナーデを伴った急性心膜炎を起こしたが手術的に摘出し得た1例を経験したので若干の文献的考察を加え報告する. 症例は37歳男性で突然左前胸部痛と背部痛, 呼吸困難を訴え急性心膜炎として加療し, いったん改善したがその後右縦隔に異常陰影を指摘され当科を紹介された, 心血管造影の結果腫瘤が上大静脈, 右心房を圧迫し, CTスキャンでは右前縦隔及び心嚢内に3つの嚢腫様陰影を認めた. 胸骨正中切開下に腫瘤摘出術を施行した. 腫瘤は9×6×3cm大で上半分は実質性, 下半分は嚢腫性であり, 心膜内に 2カ所で穿孔し, 右心房, 上大静脈, 下大静脈に囲まれた心膜内及び肺動脈, 左心房後方に2次性嚢腫を形成していた. 文献上著者らの調査し得た範囲では, このような症例は欧米を含め2例報告されているのみであった.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 縦隔腫瘍, 奇形腫, 心タンポナーデ, 心膜内穿孔, 急性心膜炎
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