アブストラクト(31巻6号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 切迫破裂を呈する拡張性腹部大動脈瘤と冠動脈3枝病変及び僧帽弁閉鎖不全合併例に対する二期的手術治験例
Subtitle :
Authors : 横山秀雄, 数井暉久, 小松作蔵, 泉山修, 杉木健司
Authors(kana) :
Organization : 札幌医科大学胸部外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 31
Number : 6
Page : 948-954
Year/Month : 1983 / 6
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 多発性動脈硬化性病変に対し積極的に外科治療が成されるようになってきたが, 個々の症例に即した適応, 術式の選択が要求される. 今回, 著者らは切迫破裂を呈した拡張性腹部大動脈瘤, 冠動脈3枝病変及びそれに伴う僧帽弁閉鎖不全により心不全を呈した高リスクの1症例に対して2期的に外科的処置を行い治癒せしめ得た. 症例は, 62歳の男性で拡張性腹部大動脈瘤に対しては緊急的にY字型人工血管置換を施行し, その後心不全の改善を待って大動脈-冠動脈間3枝バイパス術と僧帽弁置換術を同時に施行した. このような冠動脈病変を含む多発性動脈硬化性疾患に対しては, 術前の系統的血管造影により, 循環器系のリスクを十分に把握するとともに, やむをえず末梢動脈再建を先行させる場合には, 術中術後の安定した循環動態の管理が重要と考えられる. 近年, 本邦においても全身の多臓器にわたる動脈硬化性疾患は増加する傾向にあり, それに伴い外科的血行再建術の適応や術式の選択上問題のある症例も多く経験されるようになってきた.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 多発性動脈硬化性病変, 拡張性腹部大動脈瘤, 冠動脈病変に伴う僧帽弁閉鎖不全症, 僧帽弁置換術
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