Title : |
僧帽弁狭窄症・前後交連側弁下病変の重症度分類と手術 -心断層エコー図, 左心室造影所見と手術所見の対比検討- |
Subtitle : |
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Authors : |
宮沢総介, 久米弘洋, 松井道彦, 堀越茂樹, 鈴木茂, 丸山浩一, 小机敏昭, 杉田洋一, 中野雅道, 中村譲, 佐々木達海, 益子健男, 古川仁, 橋本和弘, 江本秀斗, 森田紀代造, 前田潔, 新井達太 |
Authors(kana) : |
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Organization : |
東京慈恵会医科大学心臓外科 |
Journal : |
日本胸部外科学会雑誌 |
Volume : |
31 |
Number : |
7 |
Page : |
1107-1114 |
Year/Month : |
1983 / 7 |
Article : |
原著 |
Publisher : |
日本胸部外科学会 |
Abstract : |
僧帽弁狭窄症の弁下狭窄について, 左心室造影及び心断層エコー図所見が, どの程度手術所見と一致するかを知る目的で本研究を行った. 僧帽弁狭窄症57例の前, 後交連側弁下組織すなわち114腱索乳頭筋群を対象として, 術前に左心室造影法, 心断層エコー法を行い, 前, 後交連側の各々について手術所見と対比した. 弁下狭窄の程度は次のI~IV型に分類した. すなわち, I型 腿索の短縮はわずかで, 正常弁下組織とほとんど変わらないもの. II型 腱索の短縮があるが, 弁尖と乳頭筋間の距離はある程度保たれているもの. IV型 腱索の肥厚, 短縮が著明であるが, 一塊とはなっていないもの. IV型 弁尖と弁下組織が一塊となったもの. 1. 左心室造影所見と手術所見を比較すると, 前交連側73%, 後交連側84%の一致率を得た. 2. 心断層エコー図所見と手術所見を比較すると, 前交連側65%, 後交連側77%の一致率を得た. 3. 心断層エコー図所見と手術術式を比較すると, I型では85%に弁尖交連切開が行われ, II型では乳頭筋切開を加えたOMCが最も多く63%であった. III型でMVRを施行したものは22%であったが, IV型では77%にMVRを施行した. 僧帽弁狭窄症の手術術式決定のためには, 弁下狭窄の程度を前, 後交連側各々について知ることが弁尖の性状や石灰化病変の有無を知ることと同様に重要である. この目的のためには, 左心室造影法及び心断層エコー法が有力な検査法である. |
Practice : |
臨床医学:外科系 |
Keywords : |
僧帽弁狭窄症, 弁下狭窄重症度, 直視下交連切開術, 心断層エコー法, 左心室造影法 |