アブストラクト(31巻8号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 肺海綿状血管腫の1例と本邦報告例について
Subtitle :
Authors : 池田道昭1), 宇野顕1), 萩原昇1), 米地稔2)
Authors(kana) :
Organization : 1)いわき市立総合磐城共立病院呼吸器外科, 2)浜松市聖隷三方原病院外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 31
Number : 8
Page : 1293-1297
Year/Month : 1983 / 8
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 肺海綿状血管腫の1例を経験し, 核出手術により治癒させたので報告する. 症例は67歳の男性で, 胸部X線正面写真では左心横隔膜角部に, また, 側面写真では中縦隔下部で横隔膜に接して, 約3.5cm×3cm大の円形陰影が認められた. 昭和53年7月24日に左開胸手術を行ったが, 手術時, くるみ 大で暗赤色の弾性軟な嚢腫状腫瘤が, S8の表面近くに認められたので, これを核出した. 病理検査では, 腫瘤は直径約3cm大で, 海綿状血管腫と診断された. 肺血管腫の本邦報告7症例について検討すると, 本症は40歳以上の女性に多く, 胸部X線上円形陰影を呈し, 右肺に多くみられ, 時に増大傾向が認められる. 症状は, 血痰, 喀血などであるが無症状のこともある. 治療法としては, 肺葉切除や核出手術が行われている. 本症は, 同じく肺血管腫と呼ばれている肺動静脈痩や肺硬化性血管腫とは別の範疇に入るものと考えられる.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 肺海綿状血管腫, 肺血管腫, 肺硬化性血管腫, 肺動静脈痩
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