アブストラクト(31巻9号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : ヘパリンを用いない体外循環の実験的研究 -合成抗トロンビン剤MD805の検討-
Subtitle :
Authors : 松倉裕美, 鵜沢茂樹, 竹田治土, 田辺達三
Authors(kana) :
Organization : 北海道大学医学部第2外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 31
Number : 9
Page : 1377-1382
Year/Month : 1983 / 9
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 合成抗トロンビン剤MD805はATIIIを介することなく直接トロンビンを阻害し強力な抗凝固作用を有する薬剤である. 本剤を用いることによりヘパリンを使用することなく体外循環が可能となると考えられた. そこで実験的体外循環を雑種成犬を用いて1時間施行し, 体外循環終了後も1時間の経過観察を行い, 循環動態, 血液成分及び各種代謝に与えるMD805とヘパリンの違いを検討した. その結果(1) ヘパリンを用いなくてもMD805を使用することにより十分な体外循環が可能であった. (2) MD805の3mg/kg静注はヘパリン2mg/kgに比べ溶血の少ない体外循環が可能であった. (3) MD805とヘパリンでは凝固系検査に与える影響に違いがみられた. (4) MD805とヘパリンでは血液成分及び各種代謝に与える影響に著明な差はみられなかった. (5) 体外循環によりMD805の血中濃度半減時間は延長した.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 合成抗トロンビン剤(MD805), 体外循環, 循環動態, 血小板機能, 凝固因子
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