アブストラクト(31巻9号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 開胸術後の呼吸機能に関する研究(第2報)-肺切除術後及び肺気量分画の変動について-
Subtitle :
Authors : 山崎史朗1), 小川純一2), 正津晃2), 山内俊忠3)
Authors(kana) :
Organization : 1)慶応義塾大学医学部外科, 2)東海大学医学部第1外科, 3)東海大学医学部第2内科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 31
Number : 9
Page : 1407-1412
Year/Month : 1983 / 9
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 肺切除を施行した20例の患者について, ミニコンピューターを内蔵した肺機能検査システムを用い, 術後経時的に最長8カ月までClosing Volume Curve(1回呼吸法N2洗い出し)とN2-Washout Curve(多呼吸法N2洗い出し)を測定し, 得られた肺機能上のパラメーターを術前の値と対比しつつ検討し, 以下の結論を得た. 1. 肺切除術後1~2週におけるCVの絶対値は同時期におけるN2洗い出し曲線上のPhase IIIのカーブが急峻のために正確な値を示さない. 術後3週後のCVの値は術前に比して低く, 術後5~8カ月でもなお術前の74%であった. しかしVCに対するCVの割合は術後早期から術前の値に近くまで戻り, TLCに対するCCの比もほぼ術前と同じ値をとって推移した. 2. 不均等換気を示すよい指標であるDelta N2の肺切除術後の推移をみると, 術直後(術後1~2週)は術前に比して大きく上昇し, 術後7週以後には術前の値に近くまで低下することから, 術後の不均等換気は術後2カ月でかなり回復することがうかがわれた. 3. VCはTLCと同様の術後推移を示し, 術後5~8カ月では術前の79±2%(平均値±S.E.)にまで回復していた. 4. IRVはERVに比較して術後に低下する程度が大きく, 回復も遅かった.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 開胸術後肺機能, Closing Volume, Delta N2, 肺気量分画, 肺切除術
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