アブストラクト(31巻9号:日本胸部外科学会雑誌)
Title : | 胸腺嚢腫の1例と本邦報告44例の臨床的検討 |
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Authors : | 池田道昭, 宇野顕, 大貫恭正, 菅間敬治, 萩原昇 |
Authors(kana) : | |
Organization : | いわき市立総合磐城共立病院呼吸器外科 |
Journal : | 日本胸部外科学会雑誌 |
Volume : | 31 |
Number : | 9 |
Page : | 1473-1478 |
Year/Month : | 1983 / 9 |
Article : | 報告 |
Publisher : | 日本胸部外科学会 |
Abstract : | 胸腺嚢腫は比較的まれな疾患とされ, 本邦における手術報告例は44例と少ないが, 最近我々は, 本症の1例を経験したので報告する. 症例は65歳の男性で, 胸部X線正面写真では, 手挙大で境界鮮明な楕円形陰影が, 右心陰影に接して認められ, 側面写真では, それは前縦隔に位置し, また, この陰影は体位変換によってその形状を著しく変化させた. 気縦隔撮影では, 腫瘍は心陰影から明らかに分離し, 有茎性に前縦隔上部と連絡した. 以上により, 胸腺嚢腫の疑いで昭和57年8月12日に手術を行った. 開胸すると, 手挙大で壁の薄い嚢腫が前縦隔に認められ, これを摘出した. 嚢腫は, 大きさ約13cm×9.5cm×1cm, 重さ約70gで, 組織学的に胸腺嚢腫と診断された. 術後経過は良好であった. 胸腺嚢腫の診断には, 気縦隔撮影及び体位変換によるX線撮影が, 嚢腫の位置及び性状を明らかにするので, 有用と考えられた. |
Practice : | 臨床医学:外科系 |
Keywords : | 胸腺嚢腫, 気縦隔撮影, 体位変換による胸部X線撮影 |