| Title ： |
心筋保護における再灌流液浸透圧の影響について |
| Subtitle ： |
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| Authors ： |
入沢敬夫1), 青山克彦1), 星永進1), 西村和典1), 今井高二1), 鷲尾正彦1), Kennth Rietfors2), 若林明夫2) |
| Authors（kana） ： |
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| Organization ： |
1)山形大学医学部第2外科, 2)California大学(Irvine校)医学部外科 |
| Journal ： |
日本胸部外科学会雑誌 |
| Volume ： |
31 |
| Number ： |
10 |
| Page ： |
1513-1518 |
| Year/Month ： |
1983 / 10 |
| Article ： |
原著 |
| Publisher ： |
日本胸部外科学会 |
| Abstract ： |
適度の高浸透圧は心収縮性の増大, 冠動脈の拡張, 心臓水分量の減少をもたらす. 虚血後の心臓に高浸透圧液を用い灌流を行った場合に, このような高浸透圧の効果が得られれば, 再灌流障害の防止の観点から有利なことである. 著者らは高浸透圧血液による再灌流が心臓に及ぼす影響について実験的研究を行った. 実験は家兎(31頭)の摘出心臓を酸素化希釈血液で灌流する装置を用い, 30分間の常温虚血後に葡萄糖を用いた各種高浸透圧血液で再灌流を行った. 305±9mOsm/Lでの再灌流では軽度ながら心障害が生じたが, 対照とし得るものである. 402±10mOsm/Lでの再灌流では心収縮性は明らかに増加した. 併存した低albumin濃度(0.1g/dl)が関与したと思われるが, 心筋浮腫の軽減, 冠動脈の拡張は明らかには認め得なかった. 左室心筋の出血性変化は軽度であった. 498±11mOsm/Lでの再灌流では心収縮性は増加あるいは低下して一定せず, また左室心筋の出血は増強した. この程度の高浸透圧は心臓に明白な悪影響を及ぼすことが認められた. 以上の結果から, 著者らは虚血後の心臓に好影響を及ぼす浸透圧は葡萄糖による場合では350～400mOsm/Lの範囲にあると推測した. また, 適度の高浸透圧は心臓に有利に作用するので, 著者らは再灌流に応用し得る可能性があると考えている. |
| Practice ： |
臨床医学：外科系 |
| Keywords ： |
再灌流液, 高浸透圧, 心収縮性, 冠動脈の拡張, 心筋障害 |
