アブストラクト(31巻10号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 右心室粘液腫の1治験例
Subtitle :
Authors : 森山由紀則1), 森下靖雄1), 山下正文1), 平明1), 有川清猛2), 皆越真一2), 田中弘允2)
Authors(kana) :
Organization : 1)鹿児島大学医学部第2外科, 2)鹿児島大学医学部第1内科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 31
Number : 10
Page : 1559-1564
Year/Month : 1983 / 10
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 右心室粘液腫は極めてまれで, 文献上39例(本邦9例)を数えるにすぎない. 最近, 我々は, 30歳女性の1手術例を経験したので, 2, 3の知見を加えて報告した. 本症の診断に当たっては, 心エコー及び心血管造影が有効であった. すなわち, 心エコー上, 腫瘤は収縮期に肺動脈へ突出し, 拡張期に右心室流出路へ陥入する異常エコーを呈し, また, コントラストエコーでその茎を明瞭に認めた. 右心房造影で, エコー所見と一致して右心室流出路に陰影欠損(5x3cm)を認め, 更に右冠動脈造影にて明らかなtumor clusterをも確認した. 体外循環下に右心室切開を行い, 流出路前壁に約1.5cmの茎を有する11gの粘液腫を摘出した. 本症は, 腫瘍の嵌頓や肺塞栓症などの重篤な合併症予防のためにも, 診断のつき次第, 可及的速やかに手術すべきである.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 右心室粘液腫, 緊急腫瘍摘出術, 心エコー, 右冠動脈造影
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