アブストラクト(31巻10号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 僧帽弁副組織による大動脈弁下部狭窄の1治験例
Subtitle :
Authors : 堀田隆久, 小林芳夫, 大西健二, 小林博徳, 山田真, 吉間英雄, 桜井温
Authors(kana) :
Organization : 大阪府立病院心臓センター
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 31
Number : 10
Page : 1607-1612
Year/Month : 1983 / 10
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 症例は, 易疲労感を主訴とする14歳の男子である. 超音波断層, 心臓カテーテル検査などにて, 大動脈弁直下左室流出路に存在する異常組織を原因とする大動脈弁下部狭窄兼大動脈弁閉鎖不全と診断した. 左室-大動脈圧較差は50mmHgであった. 手術は, 経大動脈に行い, 左房切開を追加して, 手術部位の確認をより確実に行った. 異常組織は, 僧帽弁副組織と考えられるもので, 一本の腱索を有していた. この異常組織を切除することにより, 狭窄の完全な除去を行うことができた. しかし, 大動脈弁には処置を必要とする程の異常所見を術中に見いだせなかったため, 術後に1/4の大動脈弁閉鎖不全を残してしまった. 恐らく, 異常組織との接触により, 大動脈弁弁尖にわずかな変形が生じていたものと考えられる. 僧帽弁副組織による大動脈弁下部狭窄は, 本症例を含めて10例の文献的報告しかなく, しかも, 合併心奇形を有しないものとしては, 本症例が3例目である.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 僧帽弁副組織, 大動脈弁下部狭窄, 正常心, 大動脈弁閉鎖不全
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