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4℃crystalloid cardioplegiaと10℃blood cardioplegiaの心筋保護効果について, 犬摘出心肺における左心機能回復率を中心に比較検討した. crystalloid cardioplegiaは高K-Glucose液(K+20mEq/l)を用い, blood cardioplegiaはblood加高K-Glucose液(K+21.0±0.3mEq/l, hemoglobin濃度6.8±0.3g/dl)を用いた. 独自の犬摘出心肺灌流装置を作製して, 2時間又は4時間のanoxic arrestを行い, この間両液による間歇的冠灌流を行った. 心筋温をcrystalloid cardioplegiaは4℃, blood cardioplegiaは10℃に保った. 心筋保護液の投与量は, 初回20ml/kg, 以後30分ごとに10ml/kgで, 注入圧は90mmHgとした. 心筋保護効果の評価には左室仕事量(LVSW)の回復率を用いた. crystalloid cardioplegia 2時間群5頭, blood cardioplegia2時間群5頭, crystalloid cardioplegia 4時間群10頭のそれぞれ全例と, blood cardioplegia 4時間群の10頭中8頭はweaning可能であった. これらについてLVSWの回復率をみると, 心筋保護2時間ではcrystalloid cardioplegia群89±5%(M±SE), blood cardioplegia群87±4%といずれも良好な回復率を示したが, 心筋保護4時間ではcrystalloid cardioplegia群70±5*%, blood cardioplegia群53±4*%と, crystalloid cardioplegiaはより優れた保護効果を示した(*p<0.05). なおblood cardioplegia 4時間群では10例中6例にA-Vblockを生じ, しばしばweaningに難渋した. |
