アブストラクト(31巻11号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 拍動流体外循環の糖・脂質代謝に及ぼす影響
Subtitle :
Authors : 森渥視, 田畑良宏, 松田光彦, 中村良雄, 岡田慶夫
Authors(kana) :
Organization : 滋賀医科大学第2外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 31
Number : 11
Page : 2043-2048
Year/Month : 1983 / 11
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 拍動流体外循環の生体組織臓器に及ぼす効果については, 実験では良好な結果をもたらすとされているが, 臨床例についてはなお議論のあるところである. 我々は以前よりこの問題につき実験的研究を行ってきたが, 今回は臨床例における拍動流体外循環の糖・脂質代謝に及ぼす影響について研究を行った. 拍動流体外循環を行ったもの19例, 定常流体外循環を行ったもの17例の計36例の開心術症例を対象とした. 拍動流体外循環は大動脈遮断中にのみ行い, その間20分ごとに混合静脈血を採取して, 血漿中グルコース, インシュリン, グルカゴン, アドレナリン, ノルアドレナリン, 中性脂肪, 遊離脂肪酸値を測定した. 結果として, グルコース, インシュリン, グルカゴンでは両群間に有意差は見い出せなかったが, ノルアドレナリンは一時期, 定常流群で有意に高値を示し, 中性脂肪は拍動流群で有意に高値を示した. 従って, 拍動流は体外循環の生体に対するstressを抑制する傾向を示し, 肝臓においてはインシュリン優位の代謝が行われ, 肝機能保護作用を有するものと思われる.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 拍動流体外循環, 糖代謝, 脂質代謝, 開心術
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