アブストラクト(31巻12号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 肺動脈内カテーテル電極使用によるインピーダンスニューモグラフィーの研究 -肺内水分量の追跡-
Subtitle :
Authors : 鈴木一也, 吉村敬三
Authors(kana) :
Organization : 浜松医科大学第1外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 31
Number : 12
Page : 2113-2120
Year/Month : 1983 / 12
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 肺内水分量を知る方法として, X線診断法, 二重指示薬希釈法, 直接法, インピーダンスニューモグラフィーなどがあるが, いずれも一長一短があり, 確実な方法はない. インピーダンスニューモグラフィーは, 胸壁成分である皮膚・筋肉・骨などの関与が大きく, 肺内水分量の変化に対する感度が小さいことが, 大きな欠点とされていた. 我々は, 肺動脈内に挿入したカテーテル電極を使用してインピーダンスを測定する方法を考案し, 肺内水分量の変化を追究した. 実験的にオレイン酸肺水腫を作製し, そのインピーダンス変化を測定, 従来の方法によるインピーダンス変化と比較し, 同時に直接法・二重指示薬希釈法による肺内水分量測定を行い, 次の結果を得た. 1. 肺水腫により, 基底インピーダンス(Zo)は従来の方法では約10%変化したのに対し, カテーテル電極使用では約23%の変化を示し, 有意の差(p<0.001)があり, しかも肺水腫の初期から計測可能であった. 2. 直接法, 二重指示薬希釈法による肺内水分量の変化と, インピーダンス(Zo)の変化は有意の相関性を示した(p<0.01). 肺動脈内カテーテル電極を使用したインピーダンスニューモグラフィーは, 新しい試みで, 肺内水分量の変化を追跡するのに有用であり, 今後, 換気量・脈波の測定にも応用できるものと思われる.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : インピーダンスニューモグラフィー, カテーテル電極, 肺水腫, 直接法, 二重指示薬希釈法
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