アブストラクト(31巻12号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 巨大な左房内腫瘤を形成した肺癌の1手術例
Subtitle :
Authors : 児玉憲1), 土井修1), 岡本信洋1), 刀山五郎1), 寺沢敏夫1), 小林享2), 吉野孝司2), 藤本淳2), 建石竜平3)
Authors(kana) :
Organization : 1)大阪府立成人病センター第2外科, 2)大阪府立成人病センター循環動態科, 3)大阪府立成人病センター病理
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 31
Number : 12
Page : 2176-2180
Year/Month : 1983 / 12
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 心房細動を伴う巨大な左房内腫瘤を形成した肺癌症例に対し, 体外循環下に切除術を施行したので報告する. 症例は54歳男性で, 主訴は発熱, 血痰及び心悸亢進である. 開胸の結果, 左上葉の腫瘍は肺静脈より左房内へ連続してpolypoidに発育し, 巨大な腫瘤を形成していた. 鉗子下での切除は不可能で試験開胸に終わった. しかし, 放置した場合, 自然予後が極めて不良と考えられ, 再度体外循環下左肺全剔と左房部分切除を行った. 左房内腫瘤の大きさは7.2×5.5×4.3cmで, 組織学的に大細胞癌であった. 術後, 洞調律に復し, 全身状態の改善が認められたが, 6カ月を経過した現在, 脳と右肺に転移巣が認められ加療中である. しかし, 本症例は腫瘍のgrowth rateから推測して, 放置するよりは手術により明らかな延命が得られたと考えられる.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 肺癌, 大細胞癌, 左房内腫瘤, 体外循環, 左房部分切除
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