アブストラクト(31巻12号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 金属プレートで肋骨固定を行ったFlail Chestの1手術治験例
Subtitle :
Authors : 池田道昭, 阿部道夫, 宇野顕, 萩原昇, 大貫恭正, 菅間敬治
Authors(kana) :
Organization : いわき市立総合磐城共立病院呼吸器外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 31
Number : 12
Page : 2196-2201
Year/Month : 1983 / 12
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : Flail chestを伴う右多発性肋骨々折の症例に対し, 金属プレートを用い10本15カ所の肋骨固定を行ってこれを治癒させ, 更に, 術後の肺機能を約3年間追跡したので報告する. 症例: 50歳男性. 来院時呼吸困難が強く, 右胸壁の奇異運動が著明であった. 胸部X線写真では, 右側第2~第11肋骨に16カ所の多発性骨折があり血気胸も認められた. 右胸腔持続吸引, 及び器械呼吸による内固定法が開始されたが, 1週間を経てもflail chestは軽減せず肺感染も併発してきたので, 受傷9日目に, 金属プレートを用いて10本15カ所の肋骨固定を行った. 術後flail chestは完全に消失し, また3年後の肺機能検査では, %肺活量は84%と拘束性障害もなく, 良好な結果を得た. 従って, 金属プレートによる肋骨固定は, flail chestの治療法として有効であり, レスピレーターの使用期間を短縮してその合併症を防止し, また, 多発性肋骨々折による肺機能の低下を最少限に抑えるものと考えられた.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : Flail Chest, 手術的肋骨固定, A-Oプレート
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