アブストラクト(32巻1号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : ペースメーカー植え込み術後の合併症-129例における経験-
Subtitle :
Authors : 佐藤正, 田中一穂, 梅本真三夫, 大谷肇, 大本一夫, 辰己明利, 斉藤幸人, 福中道男, 藤尾彰, 大迫努, 笠原憲二, 増田與, 小谷澄夫, 野々山明, 沢田修*, 香川潔**, 茂幾俊武**
Authors(kana) :
Organization : 関西医科大学胸部外科, *福岡鳥飼病院, **太刀洗病院
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 32
Number : 1
Page : 8-15
Year/Month : 1984 / 1
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : ペースメーカー植え込み129症例を対象に, 植え込み後の合併症について, ジェネレーター, 電極及び手技に分けて検討し, 以下の結果を得た. 1. 129例中の29例(23%)に少なくとも1回の合併症を経験した. 2. 合併症の内訳は電池早期消耗(5例), 電極損傷(5例), 電極尖端離脱(5例), 閾値上昇(6例), センス不全(8例), 筋肉刺激(5例)及び創感染(5例)である. 3. 電池早期消耗は水銀からリチウムへの移行期のジェネレーターに起こり, 以後は発生していない. 4. 心筋電極の損傷は縫着型にのみ起こり, 頻度は19%と高かった. 経静脈電極の損傷は1例のみであった. 5. 電極尖端離脱の頻度は4.4%であり, 刺激閾値の上昇は心内膜電極で4.4%, 心筋電極では6%であった. 6. 心房用J型電極で6例中2例にセンス不全を経験し, 本電極の使用に疑問がもたれたので, 心室用電極をJ型スタイレットを用いて心耳に挿入する方法を開発し, 好結果を得た. 7. 横隔膜刺激2例, 大胸筋刺激3例を経験し, 1例を除き, 電極交換, ジェネレーター交換などの処置を必要とした. 8. ペースメーカーの植え込みは小手術であるが, 感染のリスクは大きく, 清潔度の高い手術室で施行されるべきである.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : ペースメーカー, ペースメーカー植え込み, 術後合併症, 電池寿命, センス不全
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