アブストラクト(32巻1号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : Parker氏核出術による肺動静脈瘻の1治験例
Subtitle :
Authors : 松村公人, 沢田勤也, 福間誠吾, 関保雄, 石田逸郎
Authors(kana) :
Organization : 千葉県がんセンター呼吸器科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 32
Number : 1
Page : 102-109
Year/Month : 1984 / 1
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 肺動静脈痩は先天性中胚葉血管形成不全による肺動静脈間の短絡で欧米では400例以上が報告されている. 本邦では118例の報告に我々が現在まで集計し得た26例に自験例1例を加えると145例となる. 患者は16歳, 男性, 学校検診で左肺舌区に異常陰影を指摘され, 肺血管造影の結果肺動静脈痩と確定診断した. 本症例では赤血球増多, PaO2 64. lmmHg, 右→左短絡率20.4%であったが, チアノーゼ・バチ状指趾は認めなかった. 予後は良性疾患といえども進行性で痩破裂, 感染, 塞栓など重篤な転帰をたどるため外科切除が第1治療選択となる. 手術術式は一般には肺葉切除が選択されるが, 本症例では痩が単発で胸膜直下に位置し, 肺血管床の温存を考慮してParker氏核出術が試みられた. 我々は本術式を選択する場合, 1)肺動脈瘤型である. 2)胸膜下に位置している. 3)術前肺血管造影で流入血管が確認されている. 4)流入血管結紮で痩内への血流遮断が可能であるなどを条件としている. Parker氏核出術は手技の簡便, 迅速, 確実性から今後積極的に試みられるべき術式であると強調したい.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 肺動静脈痩, Parker氏核出術
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